まだ指先に冷たさが残る頃、
枯れ木の根本の所の乾いた地面に
春を待つ様に陽(ひかり)が当たり、
雀の子らを遊ばせている。
これから萌えいずる物たちは、
もうほんの少しの間眠りについている。
この静かな時を納める陽(ひかり)は、
公園の木々の間で穏やかに過ごす母子を見守り、
迷いながら歩む人の足の前を照らす。
窓から眺める人に、柔らかな情景を見せ、
誰の励ましより優しく、さりげない愛を与えている。
陽(ひかり)よ
讚美無きこの細い道を
進み続ける勇気を私に宿して欲しい。
これからやって来る眩しい季節が、
それを忘れさせてしまわない内に。